FOBとCIFの違い、自信を持って説明できますか?実務で損をしないためのインコタームズ再入門
- HP管理人

- 2025年12月1日
- 読了時間: 4分
はじめに
貿易取引で必ず耳にする「FOB」や「CIF」といった謎の3文字。
これらは「インコタームズ」と呼ばれます。
「難しそう…」と敬遠されがちですが、
実は「荷物の送料と責任を、売り手と買い手のどちらが持つか」
というシンプルなルールです。
この記事を読むと、以下のことが分かります。
そもそもなにか
インコタームズがなぜ必要なのか(トラブル回避)
アルファベットの頭文字で覚える4つのパターンの違い
自社に有利な条件の選び方
1. そもそも「インコタームズ」とは?なぜ必要?
共通言語がないと「言った言わない」になる
国内で宅配便を送る場合、
「元払い(発送側が払う)」か「着払い(受取側が払う)」のどちらかですよね。
しかし、海を越える貿易では、トラック、船、飛行機、通関手続きなど、工程が複雑です。
もしルールがないと、荷物が港で破損した時に
「そっちが直してよ!」「いや、もう引き渡したから知らないよ!」
と大喧嘩になってしまいます。
世界共通の「お約束」
そこで、国際商業会議所(ICC)が定めた世界共通のルールが「インコタームズ(Incoterms)」です。
これを取り決めることで、以下の2点を明確にします。
費用負担: 運賃や保険料はどっちが払う?
危険負担(リスク): 荷物が壊れたら、どの地点からどっちの責任?

『費用』と『責任』は別モノ!バトンタッチはどこ?」の直後
インコタームズは法律ではありませんが契約書に記載することで法的効力を持ちます。最新版は「インコタームズ2020」です。
2. ざっくり理解!4つのグループ(E・F・C・D)

インコタームズには11種類の条件がありますが、すべての詳細を覚える必要はありません。
まずは頭文字の4つのグループでイメージを掴みましょう。
「売り手(輸出者)」がどこまで面倒を見るか、
という視点で並べると分かりやすいです。
① Eグループ(Ex Worksなど):売り手は「何もしない」
イメージ: 「工場の軒先で渡すから、あとは全部やってね」
売り手にとっては一番楽な条件です。買い手が集荷の手配から輸出通関まで全て行います。
代表例: EXW(工場渡)
② Fグループ(FOBなど):売り手は「国内の港まで」
イメージ: 「最寄りの港(空港)までは運ぶけど、船代からはそっちで払ってね」
輸出側の国内輸送と通関までは売り手が行いますが、メインの運賃(船・飛行機)は買い手が負担します。
代表例: FOB(本船渡)
③ Cグループ(CIFなど):売り手は「相手の港まで」
イメージ: 「相手国の港に着くまでの運賃(と保険)はこっちで払うよ」
売り手がメインの運賃を負担します。ただし、「荷物のリスク(責任)」はFグループ同様に輸出地で移転するケースが多いため、少し注意が必要です。
代表例: CIF(運賃保険料込)、C&F(運賃込)
④ Dグループ(DDPなど):売り手は「届けるまで」
イメージ: 「あなたの指定場所(倉庫など)まで責任を持って届けます」
いわゆる「ドア・ツー・ドア」に近いです。売り手の負担が最も重くなります。
代表例: DDP(関税込持込渡)、DAP(仕向地持込渡)
3. どのようにこれを使えばいいか?(実務での考え方)
では、実務でどう使い分ければよいのでしょうか?
単純に「楽だからEグループがいい」
「親切にしたいからDグループ」というわけではありません。
① 「コントロールしたい範囲」で選ぶ
例えば、あなたが輸入者(買い手)だとします。
「とにかく手間をかけたくない」なら、相手に運んでもらうDグループやCグループが楽です。
しかし、「自分で安い船会社を手配してコストを下げたい」場合や、
「急ぎなので自社で最速の便を手配したい」場合は、
FグループやEXWを選び、主導権を握るのが得策です。
当社では世界中に広がるネットワークを利用して、FグループやEXWでの手配も可能です。
些細なことでもご相談ください。
② 見積もり比較に使う
商品の価格交渉をする際、条件によって金額が変わります。
「商品単価は100ドル(EXW条件)」
「商品単価は110ドル(CIF条件)」
この場合、差額の10ドルが輸送費や保険料に見合っているかを計算し、自社で手配した方が安いのか、相手に任せた方が得なのかを判断します。
③ 必ず「場所」まで明記する
契約書やインボイスに記載する際は、3文字だけでなく場所もセットで書くのが鉄則です。
悪い例: FOB
良い例: FOB Tokyo Port(東京港までの持ち込み条件)
まとめ
インコタームズは、貿易のスムーズな進行とトラブル防止のための「共通言語」です。
E: 売り手は場所を提供するだけ(買い手負担・大)
F: 輸出地の港まで(運賃は買い手)
C: 輸入地の港まで(運賃は売り手)
D: 届け先まで(売り手負担・大)
まずはこの4つをざっくり理解することから始めましょう。
これから海外取引を始める方や、条件の見直しを考えている方は
ぜひお気軽にご相談ください。最適な物流プランをご提案します。
当社では補助金の活用を含めた、総合的なご提案をさせていただきます。
御社の貨物内容とルートに合わせて、
「相手に任せるべきか」「自社で手配すべきか」
のシミュレーションとお見積もりをいたします。
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